モナリザの微笑は喜び?悲しみ?名画の魅力の秘密、最新研究が分析!

世界的に有名なレオナルド・ダ・ヴィンチ作の絵画「モナリザ」。「モナリザ」の大きな魅力と言えば、その表情の曖昧さだ。微笑んでいる彼女は喜んでいるのだろうか?それとも悲しんでいる?

今回、ネイチャーの姉妹誌「サイエンティフィック・リポーツ」に掲載されたEmanuela Liaci氏らの研究によって、基本的にモナリザは喜んでいると認識されることがわかった。

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ヒトの認識は意外とあいまい!?

ヒトの認識は意外と曖昧だ。1つの同じモノを見ているのに、複数の解釈ができる場合がある。

例えば・・・

◆ネッカーの立方体

Author: BenFrantzDale 

次の2通りの解釈ができる。

  

◆ルビンの壺

壺にも、向かい合った顔にも見える。

◆ボーリングの妻と義母

どちらの絵も、若い女性と老婆の2通りの見方ができる。

では、モナリザの一番の魅力であるあいまいな表情は、どのように解釈できるだろうか?

モナリザの口を修正して曖昧さを科学的に測定

Emanuela Liaci氏らの論文の図を改変

嬉しそうな顔から悲しそうな顔まで9段階作成

Emanuela Liaci氏らの研究では、心理物理学の手法を用いて、「喜び – 悲しみ」軸でモナリザの表情の曖昧さを科学的に測定した。

モナリザの表情を曖昧にしている鍵は口の部分だ。そこでこの研究では、原画の白黒コピーを使い口角を上げ下げする修正を施して、原画よりも嬉しそうな顔と悲しそうな顔をそれぞれ4枚ずつ計8枚作った。

12人の被験者が喜び・悲しみを判定

これに原画を含めた計9枚の画像を、12人の被験者にランダムな順番で30回見てもらい、喜び・悲しみの判定を下してもらった。また、判定までにかかった時間や、自分の判定にどれだけ自信があるかも数字として記録された。

もう一つ別な実験条件では、原画を一番嬉しそうな顔として、原画よりも悲しい顔を8枚作って、計9枚を被験者に見せ、同様に喜び・悲しみの判定などをしてもらった。

モナリザの微笑みは、ほぼ常に「喜び」だった!

実験の結果をまとめると・・・

・どちらの実験条件でも、ダヴィンチの原画は、ほぼ100%喜びと判定された。

・最も曖昧な表情は、原画よりもっと口角を下げた画像だった。

・最も悲しい顔と最も喜んだ顔はどちらもほぼ100%の確率で正しく判定されたが、最も喜んだ顔の方が、判定のスピードが速く、被験者が自分の判定により強い自信を持っていた。

・全く同じ顔の表情でも、実験条件によって、被験者の喜び・悲しみの判定が変化した。

モナリザの微笑みは昔から謎めいたものとして議論されてきたが、本研究によって初めて、基本的に喜びと認識されることがわかった。

また、感情の認識というのは必ずしも絶対的なものではなく、文脈によって変化する相対的なものであることが示唆された。

管理人チャールズの感想

喜んだ顔の方が悲しい顔よりも早くかつ自信を持って判定されたというのは面白いですね。しかし実験の被験者数が12名というのは、ちょっと少なすぎるように思います。個人差もあるのではないでしょうか。

自分の場合はむしろ、他人のネガティブな表情の方により敏感に反応してしまう傾向がある気がします。改めてこのモナリザを眺めてみても、自分はやはり喜びと断定できそうにはないです。眉毛もなくて怖いですし・・・

※2019年1月31日追記:モナリザの魅力の謎は、やはりまだ解決していない!?

モナリザを見るとき、絵からの距離(近くで見るか、遠くから見るか)によって表情が違ってみえることを研究した論文がすでにあったようです。空間周波数の関係で、モナリザは遠くから見るほど喜んでみえるようです。ダヴィンチがこの曖昧さを生み出す効果を狙って絵を描いたかどうかは不明ですが、モナリザの微笑みの秘密はまだまだ奥が深そうですね。

※最近の研究によると、私たちの顔に無意識のうちにかすかに一瞬現れる「微表情」によって、怒り、恐れ、嫌悪、驚き、喜び、悲しみなど、その人の本当の感情が読み取れるようです。

⇒ あなたの顔に一瞬現れる「微表情」から本音の感情が読み取れる!?ー最新心理学研究

また、絵画ではないですが、本物の人間の女性が若く見える顔の特徴が最近の研究で明らかになりました。詳しくは次の記事をご覧ください。 

⇒ 女性が若く見える顔の特徴・共通点が判明!最新心理学研究

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原著論文・クレジット表記(Creative Commons Attribution 4.0 International License

Liaci, E. et al. Mona Lisa is always happy – and only sometimes sad. Sci. Rep. 7, 43511; doi: 10.1038/srep43511 (2017). https://www.nature.com/articles/srep43511(画像中の日本語などは記事作成者が追加)

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