なぜ左利きになる?遺伝子や脳の違いが判明ー最新研究 

なぜある人は左利きになるのか?その理由の一端や、左利きの人の特徴などが遺伝子の研究で明らかになりました。

神経学雑誌「BRAIN」に2019年9月に掲載されたAkira Wiberg氏らの論文によれば、左利きに関連する遺伝子座が特定されたとのことです。また、左利きの人では、左右の脳の言語ネットワークの機能的つながりが強まっていることがわかった他、パーキンソン病や統合失調症と利き手との新たな関連もみつかったようです。

Researchers have identified DNA that's linked to left-handedness

参考動画|PIX11 News:本研究の概要についてのニュース報道(英語のみ)

「左利き」についての科学

少なくとも旧石器時代以降、90%におよぶヒトが、左手よりも右手を好んで使ってきたようです。

大多数の人が右利きに進化したことは、脳の左半球への言語機能の偏り(側性化)で説明できると一般には考えられているようです。

次のTEDの動画では、左利きにまつわる背景や左利きの人がいる理由について、遺伝子や進化の視点を含めて解説されています。

なぜ左利きの人がいるのか?

Why are some people left-handed? – Daniel M. Abrams

参考動画|TED-Ed:「左利きの人がいる理由」(日本語字幕あり

世界ではいまだに、左利きの子供が右手を使うように矯正しようとする習慣がふつうにみられるようです。

また、英語で「右」を意味する”right”は同時に「正しい」といった意味を持ちますが、これは他の多くの言語でもみられるようです。

利き手に遺伝が関連していることを示す研究はあるようですが、まだ全貌は明らかになっていないようです。

左利きの人が少数の割合で存在し続けてきた進化的な理由

以下のような競争と協力のバランスによって左利きの割合は少数に維持されてきた、という仮説が上の動画では解説されています。

・競争でのメリット(少数派であることが有利になる = 負の頻度依存選択)

例:野球やボクシングでは、少数派である左利きが活躍しやすい(サウスポー、レフティー)。

・協力でのデメリット(道具の共有などで少数派は不利になる)

例:はさみやゴルフクラブなどは右利き用に作られたものの方が入手しやすく、不便。

本研究でわかったこと

UKバイオバンク登録者の脳の画像や遺伝子に関するデータなどを用いて、利き手との関連を調べた結果、以下のことなどがわかったようです。

↑左利きの人では、左右の脳の言語ネットワークに強いつながりがみられたという。左が左脳、右が右脳で、色はブローカ野[緑、Aの黄色]、側頭平面[緑、Aの黄色]、上側頭溝[緑、Bの黄色]などを示す。Akira Wiberg氏らの論文[CC]の図を引用)

・左利きに関連する4つの遺伝子座が特定された

・それらの遺伝子には微小管など脳の構造に関わるものが含まれていた

・左利きの人では、言語に関する左右の脳の領域で機能的に強いつながりがみられた

・左利きに関連する遺伝子と統合失調症との間には正の相関がみられた一方、パーキンソン病との間には負の相関がみられた

左右の脳の連携によって左利きの人の方が言語能力が高い、という可能性について調べるには、今後のさらなる研究が必要とのことです。

管理人チャールズの感想

左利きについての興味深い最新研究でした。私も幼いころは左利きだったようですが、矯正されたのか、自然に変えたのか、物心ついたときには主に右手を使用するようになってました。

ただ、今でも歯ブラシやスプーンなどは主に左手で使います。パソコンのマウスは片方の手だけだと疲れるからどちらの手も使うなど、わりと器用に使えてますね(笑)

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原著論文(Creative Commons): Akira Wiberg et al. Handedness, language areas and neuropsychiatric diseases: insights from brain imaging and genetics Brain 

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