年齢や性別による睡眠パターン(朝型/夜型など)の違いがアメリカの最新研究で調べられた。夜型傾向のピークは18~19歳にあったため、学校の始業時間を遅らせると、学生の睡眠と生理的リズムの調節に役立つかも知れないという。
科学雑誌「PLOS ONE」に先月発表されたDorothee Fischer氏らの研究では、2003~2014年に実施された「アメリカ生活時間調査(ATUS)」を分析して、アメリカ人のクロノタイプ(朝型や夜型など)が年齢や性別によってどのように違うのか、初めて大規模に調べられた。
本研究では眠り始めと目覚めの中間の時刻(眠りの真中の時刻)がクロノタイプの指標として用いられた。
結果
Dorothee Fischer氏らの論文より アメリカ人の性別 / 年齢別クロノタイプ (青:男性 赤:女性)
縦軸:眠りの真中の時刻(眠り始めと目覚めの中間時刻)= 上に行くほど夜型
横軸:年齢
この図からわかることは
・夜型傾向のピークは18~19歳にあり、その後は年齢とともに朝型にシフト
・40歳までは男性の方が女性より夜型の傾向
・男女ともクロノタイプの個人のばらつきは15歳から25歳の間に最大になり、その後は年齢とともに減少
<・概して男性の方が女性よりクロノタイプの個人のばらつきが大きかった
考察
変則的な時間に勤務する人(夜勤・交代勤務など)は増加しつつあり、健康や安全へのリスクが懸念されている。ある研究によれば、クロノタイプと実際の勤務時間のミスマッチによって、看護士の2型糖尿病のリスクが増加したという。
クロノタイプの多様性を考慮すると、短期的・長期的な健康・安全リスクを抑えるためには、画一的にスケジュールを決めるのではなく、各人のクロノタイプに合わせて柔軟に勤務時間・シフトを設定するのが良いかも知れない。
アメリカの多くの高校は8時30分以前に始まるため、平均的な高校生は生物的に夜の状態で登校しなければならないことになる。学生にとって睡眠は重要なので、単純に始業時間を遅らせることは有効だろう。
管理人チャールズの感想
私は基本的には夜型人間ですが、このクロノタイプは遺伝的なものなのか、それとも後天的な環境の影響なのか、気になるところです。おそらく光の浴び方や習慣によってある程度はコントールできるのでしょうが、結構個人差はあるのかも知れませんね。
最近は「朝活」などという言葉もあるようですが、やはり自分のクロノタイプに合った生活ができればベターでしょう。ネットの出現によりだいぶフレキシブルな働き方が広まりつつあるように思いますが、多様な人々が最高のパフォーマンスを発揮できる社会基盤が整えばいいですね!
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