カップルが手をつなぐと呼吸や心拍数がシンクロ、痛みが軽減!最新科学研究

Pavel Goldsteinらの論文より

出産時に陣痛に苦しむ妻に対して、立ち会いの夫ができることは、単純に手をつなぐことかもしれない。

ネイチャーの姉妹誌「サイエンティフィック・リポーツ」に今月掲載されたPavel Goldstein氏らの研究によると、痛みにさらされている女性の手を共感的な男性パートナーが握ると、2人の呼吸と心拍数がシンクロして、痛みが緩和されることがわかった。

シンクロ(同調)現象はさまざま!

ホタルのシンクロ発光

動物やヒトで見られるシンクロ現象

動物界ではさまざまなシンクロ現象が知られている。

たとえばカエルの鳴き声、ホタルの発光、肉食動物の集団での狩りなどで、シンクロがみられる。

ヒトでも他人の姿勢や行動を模倣したりする傾向があり、シンクロは社会行動において重要な役割を果たしている。

情緒的な映画を集団で見ているときに心臓のリズムがシンクロしたり、合唱を歌っているときに呼吸や心拍数がシンクロすることが知られている。

恋人同士の関係でも、場合によってはただ一緒にいるだけで、呼吸や心拍数がシンクロすることもあるという。

シンクロ(同調)を引き起こす原因は?

しかし、こうしたシンクロを促す条件はまだよくわかっていない

「サイエンス・デイリー」紙の記事によると、論文の著者Pavel Goldstein氏は自分の娘の出産に立ち会ったとき、妻の手を握ると分娩時の痛みが軽減しているように思われたという。

そのため、 Pavel Goldstein氏らの研究ではカップルのシンクロを促す可能性のある条件として「痛み」「手に触れること」に注目して実験を行った。

カップルのシンクロを調べる実験

22組のカップルに対して、分娩室を模した環境で実験を行い、呼吸・心拍数の同調を調べ、痛みの度合について評価してもらった。

実験では以下のような条件を設定した。

★女性への穏やかな痛み刺激  あり/なし

★男性がパートナーの女性の手に触れる  あり/なし

パートナーが手をつなぐと痛みが軽減してシンクロ!

 

Pavel Goldstein氏らの論文より

実験の結果をまとめると・・・

パートナーと手をつないでいると、手をつないでいないときより女性の痛みが緩和された。

・女性への痛み刺激があるときもないときも、手をつなぐとパートナー間の呼吸がよりシンクロした。

・女性への痛み刺激があるときには、手をつなぐとパートナー間の心拍数がよりシンクロした。

・生理的なシンクロと、手をつなぐことによる痛みの緩和がどう関係しているのかはまだ不明。たとえば脳の特定の部位の活性化や、オキシトシンが関係しているかも知れない。

・手をつないでいるとき、男性パートナーの共感度合が高いほど、パートナー間のシンクロが強化された。

管理人チャールズの感想

手をつなぐという行為は、パートナーとの関係にとって大切なんだろうなと改めて思いました。手をつなぐことで、場合によっては言葉でのコミュニーケーション以上に多くが語られることも十分ありえるでしょう。

相手が痛みなどで苦しんでいる状況では、なおさらスキンシップを大切にしたいですね!

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クレジット表記・原著論文(Creative Commons Attribution 4.0 International License):P. Goldstein.The role of touch in regulating inter-partner physiological coupling during empathy for pain Scientific Reports 7, Article number: 3252 (2017) (画像中の日本語は記事作成者が追加)

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