人工知能AIはさまざまな分野で応用が進んでいる。医療分野もその例外ではない。
ネイチャーの姉妹誌「サイエンティフィック・リポーツ」に先月掲載されたN. J. Stevenson氏らの研究では、早産児の脳波を測定して自動的に脳の発達度合を評価できる人工知能AIソフトを開発したという。
人工知能AIが起こしつつある革命
TEDx Talksの動画「AIの現状と将来」
TEDx Talksの動画:「深層学習(ディープラーニング)によるAIの発展」
2016年3月には、人工知能「アルファ碁」が世界最強クラスの囲碁棋士を打ち負かし話題となった。
人間の脳を模した仕組みを持つディープラーニング(深層学習)によって、音声認識や画像分類・画像内容の記述説明が可能になったり、グーグル翻訳の精度が向上したりしている。
今回のN. J. Stevenson氏らの研究は、医療分野で機械学習を早産児のケアに応用したものだ。
世界では10人に1人が早産児
早産児の割合は世界で10人に1人で、約半数の子供がNICU(新生児集中治療室)に入る。
子供の脳の発達のために最適なケアを提供するには、脳のモニタリングが必要だ。
脳波を利用して子供の脳をモニタリング
子供の脳のモニタリングには脳波を利用することが増えつつあるが、専門家による長期的な解釈が必要なことが難点だ。
機械が自動的に脳波を分析して解釈できれば、この問題は解決する。
N. J. Stevenson氏らは、人工知能の機械学習を利用して、脳波から早産児の脳の成熟度を自動的に分析・評価できるシステムを作った。
ひとり一人の子供にとって最適なケアを考える上で役立つ情報を提供できる可能性が期待される。
管理人チャールズの感想
医療現場の診断における人工知能AIの応用例でした。ケアに関わるさまざまな作業の効率化・迅速化に結び付けばすばらしいと思います。
ただ、機械がデータを分析して評価を下すプロセス・根拠はまだ恐らくブラックボックスだと思うので、そこに不安は感じてしまいます。
あくまで医師の判断の補助ツールにとどめるのか、あるいは全面的に機械に依存するようになるのか、まだわかりません。
しかしいずれにしても、さまざまな分野で、人間と機械(人工知能)がうまく役割分担することでよりよいパフォーマンスを発揮できるような新しい仕組みが今まさに作られつつあるようですね。
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