ザトウクジラは、円形に泳ぎながら泡を吐いて、獲物を取り囲むネットを作り出す「バブルネットフィーディング」という狩りを行うようです。
ハワイ大学の研究者や協力機関が、このザトウクジラの独特な漁の様子を、ドローンによる空撮とザトウクジラに取り付けたカメラによって捉えることに成功したとのことです。
また、学術誌「ロイヤルソサイエティ・オープンサイエンス」に2019年10月に掲載されたMadison M. Kosma氏らの論文では、ザトウクジラは泡による柱状のネットに加えて、胸びれも使って獲物を効率的にとらえている可能性が報告されています。
ザトウクジラの「バブルネットフィーディング」動画
参考動画|ハワイ大学:バブルネットフィーディングの上空からの映像と、クジラ視点の水中映像が見られます。
参考動画|GALAXIID:バブルネットフィーディングを捉えた別な美しい映像
泡のネットに加えて胸びれも使っている?
Madison M. Kosma氏らの論文では、らせん状の泡ネットに加えて、胸びれを第2のバリアとして獲物を取り囲んでいる可能性が報告されています。
↑StageAではバブルネットが獲物(黄色の点で表示)を取り囲み、StageBでは胸びれを第2のバリアとして活用。StageCで獲物に突進。(Madison M. Kosma氏らの論文[CC]より引用)
↑胸びれをV字型に突き上げるような姿勢もみられたようで、こちらも餌を効率的に取り囲むための第2のバリアとして機能している可能性があるようです。また、光の反射を利用している可能性も考えられているようです。(Madison M. Kosma氏らの論文[CC]より引用)
最後に、バブルネットフィーディングの別な映像
参考動画|BBC Earth:ザトウクジラの独特な鳴き声(歌)も聞こえています。バブルネットフィーディングには高い知能と協力が必要と考えられているようで、地域や個体によっても行動に違いがみられるようです。
管理人チャールズの感想
ザトウクジラの生態・捕食行動についてのとても興味深い映像・研究でした。クジラが出す泡の美しいらせん構造を見ていると、先日記事で取り上げた黄金比や対数らせんのことが自然と思い出されました。自然の美と数学には何かしらの関わりがあるのでしょうね。
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