「クローン人間」が誕生する日も遠くないだろう。
米科学誌「セル」に先週発表されたZhen Liu氏らの研究では、体細胞核移植によって元の個体と全く同じ遺伝子を持つクローン猿を作り出すことに成功したという。
アイキャッチ画像(イメージ):カニクイザル by Charlesjsharp
参考動画:The Telegraphによる本研究の報道(英語)
哺乳類で最初のクローンは羊の「ドリー」
参考動画:Al Jazeera English クローン羊「ドリー」についての解説(英語)
哺乳類で初となるクローン羊「ドリー」が1996年に生まれて以来、体細胞核移植によってマウスやイヌ・ネコなど20種類以上の哺乳類でクローンが生み出されている。
参考動画:Tech Insider 死んだペット(犬)のクローンの作り方を解説(英語)
今回の研究で成功したカニクイザルについては、霊長類では初めてのクローンとなる。 人間と同じ霊長類であるサルのクローンは、ヒトの病気治療の理想的な研究モデルとして期待できるという。
しかし今回の発表により、技術的にヒトのクローンを作成できる可能性が現実味を帯び、倫理的問題についての議論が再燃しそうだ。
管理人チャールズの感想
ヒトの遺伝子の操作については各国でさまざまな規制が行われていますが、正直、水面下ではクローン人間がすでに生まれていても全然不思議ではないと思います。
ただし、生物は遺伝子だけでなく環境の影響ももちろん受けるので、DNAを同じにしても全く同じ人間ができるわけではないでしょう。同一の遺伝子を持つ一卵性双生児を個人的に何組か知っていますが、兄弟(姉妹)間で個性・性格がそれなりに違うように思います。自分の完全な「分身」「コピー」を作ることは意外と難しいかも知れませんね。
クローンとは違いますが、2018年末には中国の研究者らによって、ゲノム編集で遺伝子を操作した人間の赤ちゃんが初めて誕生したとの報道があり、デザイナーベビーの倫理的問題についての議論が沸騰しています。
⇒ 世界初の遺伝子編集ベビーを誕生させた男、自ら語る【動画】
ゲノム編集とは何か?については次の記事にまとめています。
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