羽の幅3.5cm、重さ約0.26gの昆虫サイズの極小ロボットが、電源コードなしの単独飛行に初めて成功したようです。ハーバード大学が発表したこのロボットはRoboBee X-wingと名付けられ、4枚羽を持ち太陽光電源を搭載しているとのこと。
電源コードなし、単独での飛行に成功した極小ロボット
参考動画:nature video|今回発表されたRoboBee X-wingの概要
昆虫サイズの極小飛行ロボットのRoboBee。
これほど小さいサイズでは通常のバッテリーは重すぎて積めないため、代わりに超軽量の太陽電池(約0.01g×6個)を搭載したようです。ただし、通常の太陽光の2倍以上のエネルギーが必要とのこと。
今回の飛行時間は1秒も持続しなかったようですが、今後のさらなる改良が楽しみですね。
This insect-inspired microrobot is the lightest vehicle to achieve sustained, untethered flight https://t.co/KhKjX37lTW The research is published today in @nature pic.twitter.com/r9aQR7noBM
— Harvard SEAS (@hseas) 2019年6月26日
これまでに開発された他のRoboBee
水中に落ちても大丈夫なRoboBee
参考動画:ハーバード大学(2015年公開):飛ぶだけでなく、泳ぐこともできるRoboBee。従来のRoboBeeは羽が2枚のようです。
水中から脱出可能なRobobee
参考動画:Science(2017年公開)|水中で安定するためのスタビライザー付きRoboBee。電気分解により酸素と水素の混合気体を発生させ、点火装置で発火することで、水面から飛び出すこともできるようです。
改めて、今回発表されたRobobee X-Wing
参考動画:ハーバード大学|RoboBee X-Wingの概要
従来のRoboBeeよりもアクチュエーターや伝達率を改良して、2枚羽から4枚羽に変更することで、太陽電池と電子パネルの搭載が可能になり、電源コードを外すことができたようですね。
管理人チャールズの感想
Robobeeは将来的には、環境調査や救助活動などへの応用が期待されているとのことです。さらなる進展がとても楽しみですが、一方で、軍事兵器や監視目的での利用など、やはり懸念事項もあるように思います。
どんな新技術にも光と影の両面がありますから、結局は私たちがその技術をどう使うかにかかっているのでしょうね。
参考文献:Jafferis, N.T., Helbling, E.F., Karpelson, M. et al. Untethered flight of an insect-sized flapping-wing microscale aerial vehicle. Nature 570, 491–495 (2019). https://doi.org/10.1038/s41586-019-1322-0 ハーバード大学のプレスリリース
ナノロボットについては次の記事で取り上げています。
生きた昆虫をサイボーグ化する試みもすでに行われています。
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